現代は車もバイクもクラッチ操作の必要な車種を選んでいる人は圧倒的に少数派であると想像できますよね。
そんなのを選ぶのは変人たちのハズですが、クラッチの機構をそれなりにでも理解している人はそれほど多くないのでは??と疑念を抱くことも少なくありません。
いろんな人の都合で免許をマニュアルとオートマを分けたのであればせめてマニュアル側には昔ながらの「構造」というハードルを設けていただきたいです。
ペダルでもレバーでもクラッチってものを切っていないとギヤを入れるとエンストするとか、ゆっくり繋がないとエンストするくらいの認識だとビンテージハーレーの場合は少し問題があります。
今日は別にクラッチの機構について講釈垂れるわけではなく、クラッチ作業が入ったのですこ~~しクラッチのお話をと思ったわけです。
さてこの車両、クラッチを切ってギヤを一速へ入れると「ゴン」と大きな変速ショックとともに車両が前へ動いてしまうといった症状。 これは各部へ余計なダメージを与えてしまうので完全に赤信号です。 さらに運転していて非常にストレスが溜まるので何一つ良い事はありません。
これはクラッチが切れていないという症状なのですが、こうなる原因としてクラッチバスケット内部にミッションオイルが入り込んでいる場合、あとはエンジンを掛けて指でさしているクラッチバスケットが偏芯している場合などに多く見られます。
後者の場合はメインシャフトの曲がりが疑われるので大掛かりな作業となります。
幸いこの車両はクラッチバスケットは偏芯していませんでしたが、ベルトがパンパンでした・・・
まずはベルトの遊びを正規の値に調整するのですが、当然ながら、まずはドライブチェーンをダルダルにしておくのをお忘れなく。
そうしたらクラッチを切って。
クラッチハブがクルクル回らない場合は完全に異常です。
ここでクラッチハブを回転させるときに手に掛かる負荷はそのまま変速ショックとなるわけです。 そのショックはニュートラルから一速へ入れるたびにクラッチハブスタットへクラッチプレートの穴や切り欠きへ掛かることになるのでクルクルくんにこしたことはありません。
この車両はラムジェットリテーナーが組み付けられていましたが、これが悪さをしている事も少なくありません。
せっかくクラッチの機能を助けるパーツとして付け足しているのにそのパーツが足を引っ張っていては話になりません。
なんでもかんでも却下してしまうのはお客さまにも申し訳ないのでこれは追加工してきっちり役目を果たすようにしておきます。 (私はあまりRJリテーナーは必要ないと思いますが・・)
組み付けたらクラッチハブをクルクルしておかしな負荷が掛かっていないか確認しながら。
このアジャストスクリューとプッシュロッド先端のコンディションにも注意します。
これは交換ですね。
本来ならこちらへ引き抜けるはずですがプッシュロッドが抜けません。 高年式のスローアウトが使われているのでしょうか?? あまりこの車両は深く追求できないのでキックカバーは開けず、アジャストスクリューのみ交換しました。
クラッチプレートも相当年季が入っていたので交換させていただき、一速へ入ったのか分からないくらいクラッチが切れるようになりました。
ハーレーはクラッチが不良のまま「そんなもの」と乗り続けている人が多いと思いますが、60~70年代のスポーツカーが高騰してステータスという面ばかりが先行して知識の乏しいお金持ちしか乗れない世の中になっているのでそういった名車たちもどんどん痛めつけられているのかな・・と今日もひがんでおります・・・
9/17/2018
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