たま~~に質問が来る慣らしについて、今回もメールを頂いたのでここでお答えいたします。
ご質問の内容はOH後の慣らしについてでしたので、あくまでも”RUMBLEのやりかたです”ということを前提にお話ししていきます。
まず第一に”熱をもたせないこと”に注意します。
当然OH後一発目ですからただでさえ発熱量が尋常ではありませんので、他の発熱を助長する要因を可能な限りなくしておきます。
○燃調が薄いと当然熱は上がりますから必ず濃いめへ振ってエンジンをかけて、パイロットの調整もベストの位置から少し濃いめにセットしておきます。
※Eキャブなど流量調整の可能な加速ポンプを備えたキャブレターは吐出量を多めにセットしておきます。 思った以上にガソリン冷却というのは効果が大きいので。
ここで二次エアのチェックもして、これが原因で燃調が薄くなってしまわないようにします。
○点火時期が遅いとこれも熱が上がる要因となるため、ガバナーなどが入ったオートアドバンススの場合は(もちろんコーンSHOVELなども)スタティックで出した点火時期よりも少しだけ早目へ振ってセットしておきます。
点火時期を遅めにセットして吹かした場合と早目にセットして吹かした場合でマフラーエンドに手のひらを当ててみれば排気温の違いが分かると思います。
○外気温も侮れません。 できれば7月~9月の日中は組みたてのエンジンスタートは避けた方が良いと思います。
まず一発目にかけるときに気を遣う点はこんな感じですかね、そのあとRUMBLEでは有圧扇をあててアイドリング+αでガソリン10ℓ消費するくらいまで実走行へ入らないようにしていますが、真夏のこの時期はおこないません。
ましてや、これに関しては皆が皆できる環境ではないと思いますので絶対こうしなくては!!という事ではありません。
ただ、アイドリングから少しでもスロットルを開けるとバルブもピストンも動きが一気に早くなるのでそのことを頭に入れておけば対応できると思います。
最初の走行でいくら調子が良くてもよくばって連続走行しないように休憩を挟みながら軽めに切り上げるようにします。
信号の少ない自分のペースで走れる数キロの道路を選んで走行風の当たらないアイドリング状態をなるべく避けて走ります。 このとき、たとえ5~60キロくらいのペースでもスロットルパーシャルは避けるようにしています。下り坂や、後ろに車がいない場合などはできるだけスロットルOFFの時間をとるよう心掛けています。 これによって本当の初期のバルブのカジリを避けられます。
初期慣らし時の温度に関してもご質問がありましたが、これは温度計によってバラつきがありますし、あてる角度や場所にも影響されるのであまり参考にしていません。
人間の手の感覚というのは案外頼りになりますからオイルタンクの温度や、
ロッカーボックスの温度、
シリンダー周辺の熱量などでも判断できます。(ヤケドしないように)
日頃何気なく乗っているときから気を使って季節ごと、街乗り・高速走行などのシチュエーションごとに自分の車両の熱の持ち方を把握しておくと良いと思いますよ。
股ぐらから感じる熱量はシートポジション・ガソリンタンクの形状・マフラーの取り回し、履いているズボンの生地によって変わってくるのでこれはあまりあてにならないように思います。
あとはアイドリングしきれずにパスっとエンジンが止まってしまう場合は危険信号だと思ってください、シリンダーとピストンが締めあがってアイドリングしきれていない状況が考えられますので・・・ここで空キックをしてみて抵抗を感じるようなら迷わずその場で体育座りで小一時間休憩してください。
あとはオイル交換を惜しげなくといったところで数十キロ走行までの慣らしは終わりですかね。
こんな具合で100km程まで到達できれば第二段階といった感じでしょうか、さほど神経質にならず、300kmくらいを目標に走行していくことになりますが、まだ高速道路はダメですよ~~
たとえ80km巡行程度とはいえ、場合によっては数十分スロットルパーシャル状態というのは負荷が大きいですからね、もすこしガマンです。
300kmに異状なく到達出来たら高速道路へ行っても大丈夫だと思いますが、あくまでも熱量を含めてエンジンが体感できるくらい落ち着いてきていればの話です。
けっこう分かりやすいサインでこんなのもあります。
エンジンをかけているときは矢印方向へ回っていますよね、これをイグニッションOFFにしたときにその場でピタッと止まってしまうようだとまだ危険です。 せめて少し惰性で進んでから止まるくらい、理想は惰性で少し進んだのちに逆方向へ少し戻ってから止まるようになればもう心配ないと思います。
あとは交換時に抜いたオイルのコンディションや、多少熱を持ってきたときの低速時でのエンジンの縦揺れなどからも読み取れることは多いです。
質問者さんはご自身でエンジンOHされるようなツワモノなので、慣らしの方も大丈夫だと思いますよ、頑張ってください!!