9/29/2024

マグネトー

 もう今から20年くらい前の話ではありますが、マグのメーカーのモーリスへオファーしたときのリアクションの悪さに閉口した記憶があります。

 余談ですがJOE-HUNTも同様でマグ業界ってのはこんなものなのか・・・という印象のままだったもので今回はかなりショッキングでした(良い意味で)

 お客さまが某オークションで落札したモーリスのオートアドバンスマグネトー、これを前回取り付けリクエストされたわけですが、私はこのモデルを見たことがなく、そんな私でも分解チェックした段階でアドバンス機構部へおかしな加工がされている事が分かり、不安を抱きつつ取り付けしてみたのですが予想どうり一向にエンジンがかからず、アドバンスを強制的に殺しても火すら入らない始末で・・・

 その加工されてしまっている部分のパーツの入手もできず、正しいパーツ構成も分からないでお手上げになっていたときにモーリスさんへ問い合わせたら予想に反して「送っておいで💛」と好感触なお返事。
 送ってみたら早速OHされて戻って来たんです!! 変われば変わるもんですね~~  あの頃を知っている私からしてみたら考えられない話です。


 というわけで半信半疑のまま組みつけていきますかね。







 純正のリペアサービス通過済みとはいえ念のためチェックはしてから。
 これ、オートアドバンスというよりは基本はフルアドバンスしていて低回転時+キックスタート時のみ遅角してスプリングの作用でスターターブースターが働く機構のように私は思うのですが・・・間違ってますかね?


 ともあれ私的に満足したので組みつけていきます。
 まずは仮組みしてクランキングさせて動作の確認を。






 再度分解して使用するガスケットをセットして各ギヤサイドプレイを。






 プラグコードの取り回しやらマフラーステーなどは仮のままでとにかくエンジンスタートを→ブラボ~!! グッジョブ!! アンビリーバボ~!!
 すごいです、モーリスさん見直しました。 そおっとキックすればするほどかかりやすい機構とはいえ、手でもかかりますねコレ・・素晴らしい!!  各部本組みしたら明日以降の実走行を待つばかりです♪

 しかしひと昔前までの1円も払う気になれなかった純正のキルスイッチとは比べようもない現行キルスイッチからもモーリスのやる気が伝わります。
 これまではマグ取り付け希望のお客さまには「良いことないすよ」と言ってきましたがこのモデルは素晴らしいですね(ま~ぶっ飛ぶプライスではありますが・・・)
 最近のモーリスの素晴らしさと某オークションの恐ろしさを再認識した今回のお仕事でした。







 



9/27/2024

ブレーキペダルリペア

 スタージスくんは少しお休みで、作業依頼で送られてきたものや、それほど重作業でない車両を進めていきます。


 先日のシートポスト同様、過酷な使用状況にもかかわらずあまりリフレッシュしてもらえないブレーキペダルを。






 虫食い+痩せが激しいのでスタッドは打ち換えます。







 まずは旧スタッドを抜き取ります。







 ブラケット自体の歪み修正もリクエストされていたのでこの時点で修正します。






 ペダルピボットの編摩耗も大きいため、STDサイズのスタッドではガタガタなのでオーバーサイズのスタッドにします。






 オーバーサイズスタッドに合わせてピボット部を拡大ボーリング。






 スタッドをセットして完了です。







 リターンスプリング取り付け穴の肉盛り・修正もリクエストされているのでやっていきます。






 全て完了したので発送しました。







 待っていたパーツがようやく揃ったので、SHOVELさんに取り掛かっています。










9/25/2024

VMRS

 仲間外れにならずに今年もお知らせをいただきました。

 厚木の河川敷で催されるVMRS。 今年は11月3日だそうです。 RUMBLEも参加させていただきますのでよろしくお願いします。


 スタージスくんのSHOWA35フォークをローダウン加工していきます。
 曲がりのないコンディションの良い純正チューブなのでこれをカットしてテーパー加工+ねじ切り加工してショート化です。




 ではではフォークを組んでいきます。
 ローダウン化に伴い、フォークオイルもそれに合わせておきます。





 できました。







 ネックカップはできるかぎり純正を使いたいのでベアリングレースを新品へ入れ替えてフレームへセットしていきます。






 マスキング代わりにしておいた旧ネックカップを抜きます。







 入れ替え完了。
 ここで注意しないとトラップが潜んでいることがあります。
 今回はネックカップへの追加工で対処してばっちりです、





 少しだけオートバイらしくなってきましたかね?
 困ったことにどこへ問い合わせてもリクエストのタイヤが納期未定で手に入りません・・・ひとまずフロントは代わりのホイールをつけてローリングシャシーを目指しますかね。







9/23/2024

WL駆動系

 前回の続き。
 駆動系のトラブルで入庫のWLAさん。 症状は1速での発進時にクラッチを繋ぎきった直後にガクンとショックが1発のみ発生するというもの。
 ほぼ毎回発進時にこの症状が出るということでお預かりして数日間通勤で乗らせていただくも、私が乗るとまったく出ないといった困った状況です。
 再度オーナーさまの乗り方を詳しく聞いて、少し乗り方を変えてみてようやく1回だけ症状を体感することができました。

 オーナーさまはミッション内部を疑っていましたが、↑のさまざまな症状からして私はクラッチに問題があるという見立てで着手しました。
 ギヤの欠けなどの場合はそのギヤで走っているかぎり一定周期でそのショックは出続けるはずですし、乗り方でどうこうなる問題ではなく、シフタークラッチのドッグ部に不具合があったとしても同様のパターンになるか、出る症状はギヤ抜けだと思われるので私はミッション内部ではなくクラッチだと判断しました。
 疑わしい箇所を改善して組みつけ完了。


 本日数時間いつもの自分の乗り方ではない乗り方で意地悪く何度もチェックしましたが、まったく症状は出ず、めでたく解決!!と言いたいところですがオーナーさまが乗ったときに出ないようにならないと安心できませんので解決はおあずけです。



 リクエストのシートポストブッシュを。
 まずはシートポストを抜いてグリスがべっとりなので洗浄します。





 穴径を慎重に計測してブッシュを製作・圧入・仕上げ。







 予定外ですがシートポストの状態が非常に危険なのでシートポストをオーバーホールしていきます。






 全バラくんにして再度洗浄







 ガイドの摩耗過多・スプリングの破損・パーツの欠品などなど、私が把握しているかぎり30年はリフレッシュされていないシートポストなので仕方ないですね。





 内部パーツは新品に交換して正しく組みなおしていきます。







 見違えるような動きになって復活しました。







 エンジンオイルの交換をしてWLAさんは作業完了です。

















どうして

 途中まで書いたのですが昨夜はあまりにもやるせない気持ちでどうにもうまくまとめられず、書くのをやめて帰りました。

 地震の被害の残る能登地方での大雨報道をうけて、本当に誰のせいでもないだけに余計に憤りが処理できず・・・


 簡潔に作業の報告だけを。
 1000km到達したSHOVELさん、プッシュロッドなど外してエンジン増し締め→各部点検・調整→車体を磨いて伝票書きとお渡しに備えての準備を1日やっていました。




 キャブのジェット交換を。
 エンジンは1340cc 軽量フライホイールにBHカムといった仕様にS&S-Bキャブ(デュアルケーブル仕様なので中後期期モデル)にドーナツリング付き。  メイン#78 パイロット#036で落ち着きました。



 続いて駆動系トラブルのWLさんを。







 ちょっと長い話になってしまうので次回に詳しく。




9/20/2024

つうこん

 昨夜は仲間が集まっての楽しい宴だったんですが、電車で帰る組とホテルに泊まる組に分かれて私はホテル組・・これで明日はホテルからセレブ出勤💛  とゴキゲンでチェックインしたところ、なんとダブルベッドがど~~んと・・・

 部屋の予約は私が担当したのですが、どうやらツインとダブルを間違えて予約するという痛恨のミス・・・  酒臭いオッサンが仲良く2人並んで寝るというセレブのセの字もないヒドイありさまでございやした💧💧💧  ほんとさ~~せん。


 作業はスタージスくんのリヤドラムを。
 パーツ単体で支給されたものですが、スプロケット取り付け部が割れていたり(これは仕方ないところではあります)、なかなかのコンディションですが、メカドラとは違って使用困難なほどにはそうそう痛みませんので大丈夫です。



 まずはいつもの全バラくんにして各部チェックしていきます。






 ハイドロリックドラムはここが大事な部分です。
 RUMBLEでは組みつけ状態でカムの位置が外から分かりやすくするためにマーキングしています。





 ホイールシリンダーはオーバーホールされているようですが、年式違いの物で組まれていて作動不良を引き起こしていたので正規の物へ交換します。





 バッチリ💛







 これでバッキングプレートは完了です。







 JAWSの背びれみたいになってしまっているスプロケットは交換します。






 メカドラよりも肉厚でずっしりしていて頑丈そうですが、鋳鉄なので意外ともろいです・・・スプロケット(リベット)を取り外す際は当て板などを使用して慎重に作業しないとあっけなくポロリと割れてしまうので注意が必要です。
 残念ながらすでに数か所割れてしまっているのでまずはそこを修理します。


 スプロケ作業の都合上、ここで必要となるスターハブを組んでいきます。






 ついでにフロントハブも。







 これをやるためにハブが必要でした。
 チェーンがダルダルのところとパンパンになってしまうところの差が極力小さくなるようにスプロケの偏芯が1/10mm以下になるまでアライメントを出してからリベットをカシメます。




 めでたく完了です♪