9/08/2024

なんでだろ・・・

 先日の朝に突然奥さまから「ついにウチのお米がなくなっちゃった💧」と言われてですね、なくなるまでの数日近所のスーパーを片っ端から探したらしいんですが、どこにも無しだったようで「ほんっとに買い占めするやつムカツクわ~~」とボクに言われても💧という剣幕でキレられたもんですからコリャなんとかせねばと出勤したわけです。

 そ~いえば作業場周辺に大小さまざまなお米屋さんが何件かあったな~と朝から回ってみたら入手できてですね。

 口調は乱暴だけど良いオッサンの店主さんに「いくつ欲しいんだよ」と聞かれて、こんなときだからひとり1袋だろと返すと「いくらでも持ってきゃいいんだよ!!」とナゼかキレぎみで10kg売ってもらったんですけど、ここまで無くなるのって絶対買い占めしてるアホがいるからですよね・・・  東日本大震災の直後にも調理しないで食べられる物ってことでパン類がお店の棚から完全に無くなってしまうなんて事もありましたし・・

 あのときもパンを見つけたオバハンが買い占めて「手に入ったわよ!!」と団地で配っていたなんて話も聞きましたしね・・・

 な~んでそういった思考になるのか不思議でなりません・・・

 あんまり生意気なこと書き出すとロクなことにならなさそうなのでこのへんでやめときますかね~


 さてさて現在慣らし中のSHOVELさん、200km超えたところでオイル交換を。
 もうまったくキラキラは無くなり、透明度もあって良い感じですね。 次の交換500kmを目指して引き続き乗っていきます。



 ストローカークランク+WR仕様へ加工のWLロワーエンドを腰を据えて取り掛かります!!!






 1本1本だと完全にアライメントは出ていてクルクルくんのカムですが、2本入れてしまうとカムカバーも閉まらないくらいギヤサイズが合っていないカムギヤと格闘していきます。





 まるまる2日以上費やしてようやく4本すべて組み込んでクルクルくんになるまで行けました・・・
 もう2度とやりたくないです💧





 カムのサイドプレイを。







 いや~~ここまで長かった・・・としばしこの光景を眺めてからピニオンシャフトが解放されたのでクランク組み立てしていきます。





 合い間に当日対応で前後タイヤ交換したり、スポーツさんお渡ししたりがありつつ・・・






 クランク組み立て・芯出し。
 両サイドとも1/100mmで仕上がりました♪






 ケースへ組み込んでサイドプレイ計測してボールベアリング用のスラストワッシャーを選定します。






 シリンダーデッキとの水平を出したら再度分解して慎重に梱包してこのお仕事は完了です!!
 明日(月)発送いたします。










 

9/06/2024

ならし

 たま~~に質問が来る慣らしについて、今回もメールを頂いたのでここでお答えいたします。


 ご質問の内容はOH後の慣らしについてでしたので、あくまでも”RUMBLEのやりかたです”ということを前提にお話ししていきます。


 まず第一に”熱をもたせないこと”に注意します。

 当然OH後一発目ですからただでさえ発熱量が尋常ではありませんので、他の発熱を助長する要因を可能な限りなくしておきます。

 ○燃調が薄いと当然熱は上がりますから必ず濃いめへ振ってエンジンをかけて、パイロットの調整もベストの位置から少し濃いめにセットしておきます。

 ※Eキャブなど流量調整の可能な加速ポンプを備えたキャブレターは吐出量を多めにセットしておきます。 思った以上にガソリン冷却というのは効果が大きいので。

 ここで二次エアのチェックもして、これが原因で燃調が薄くなってしまわないようにします。


 ○点火時期が遅いとこれも熱が上がる要因となるため、ガバナーなどが入ったオートアドバンススの場合は(もちろんコーンSHOVELなども)スタティックで出した点火時期よりも少しだけ早目へ振ってセットしておきます。

 点火時期を遅めにセットして吹かした場合と早目にセットして吹かした場合でマフラーエンドに手のひらを当ててみれば排気温の違いが分かると思います。


 ○外気温も侮れません。 できれば7月~9月の日中は組みたてのエンジンスタートは避けた方が良いと思います。


 まず一発目にかけるときに気を遣う点はこんな感じですかね、そのあとRUMBLEでは有圧扇をあててアイドリング+αでガソリン10ℓ消費するくらいまで実走行へ入らないようにしていますが、真夏のこの時期はおこないません。

 ましてや、これに関しては皆が皆できる環境ではないと思いますので絶対こうしなくては!!という事ではありません。

 ただ、アイドリングから少しでもスロットルを開けるとバルブもピストンも動きが一気に早くなるのでそのことを頭に入れておけば対応できると思います。


 最初の走行でいくら調子が良くてもよくばって連続走行しないように休憩を挟みながら軽めに切り上げるようにします。

 信号の少ない自分のペースで走れる数キロの道路を選んで走行風の当たらないアイドリング状態をなるべく避けて走ります。 このとき、たとえ5~60キロくらいのペースでもスロットルパーシャルは避けるようにしています。下り坂や、後ろに車がいない場合などはできるだけスロットルOFFの時間をとるよう心掛けています。 これによって本当の初期のバルブのカジリを避けられます。

 初期慣らし時の温度に関してもご質問がありましたが、これは温度計によってバラつきがありますし、あてる角度や場所にも影響されるのであまり参考にしていません。
 




 人間の手の感覚というのは案外頼りになりますからオイルタンクの温度や、






 ロッカーボックスの温度、







 シリンダー周辺の熱量などでも判断できます。(ヤケドしないように)
 日頃何気なく乗っているときから気を使って季節ごと、街乗り・高速走行などのシチュエーションごとに自分の車両の熱の持ち方を把握しておくと良いと思いますよ。




 股ぐらから感じる熱量はシートポジション・ガソリンタンクの形状・マフラーの取り回し、履いているズボンの生地によって変わってくるのでこれはあまりあてにならないように思います。
 あとはアイドリングしきれずにパスっとエンジンが止まってしまう場合は危険信号だと思ってください、シリンダーとピストンが締めあがってアイドリングしきれていない状況が考えられますので・・・ここで空キックをしてみて抵抗を感じるようなら迷わずその場で体育座りで小一時間休憩してください。
 あとはオイル交換を惜しげなくといったところで数十キロ走行までの慣らしは終わりですかね。

 こんな具合で100km程まで到達できれば第二段階といった感じでしょうか、さほど神経質にならず、300kmくらいを目標に走行していくことになりますが、まだ高速道路はダメですよ~~
 たとえ80km巡行程度とはいえ、場合によっては数十分スロットルパーシャル状態というのは負荷が大きいですからね、もすこしガマンです。
 300kmに異状なく到達出来たら高速道路へ行っても大丈夫だと思いますが、あくまでも熱量を含めてエンジンが体感できるくらい落ち着いてきていればの話です。

 けっこう分かりやすいサインでこんなのもあります。
 エンジンをかけているときは矢印方向へ回っていますよね、これをイグニッションOFFにしたときにその場でピタッと止まってしまうようだとまだ危険です。 せめて少し惰性で進んでから止まるくらい、理想は惰性で少し進んだのちに逆方向へ少し戻ってから止まるようになればもう心配ないと思います。

 あとは交換時に抜いたオイルのコンディションや、多少熱を持ってきたときの低速時でのエンジンの縦揺れなどからも読み取れることは多いです。
 質問者さんはご自身でエンジンOHされるようなツワモノなので、慣らしの方も大丈夫だと思いますよ、頑張ってください!!








 

9/04/2024

8×4

 先日遊びに来てくれたお客さまからいただいた差し入れ・・・


 なんでもタイでいちばん売れている歯磨き粉なんだとか・・・
 誰かから8×4てきなデオドラントスプレーとかをそっと差し出されたら「えっ」となって脇の下とかクンクンしちゃいませんか?
 お客さまが帰られた後で口臭チェックして、鏡見てそんなに歯がきちゃないのかと確認しましたが、そんなことないと思うんですけどね~~
 だれかハッキリ言ってください。


 スタージスくん、カムのベアリングを入れ替えたりの下準備が続きます。






 曲がりも摩耗も見られないので純正シャフトを研磨して計測していきます。






 計測してローラーサイズを選定してラッピングしろの見当がついたらケース合わせ面を研磨してラッピングに備えます。






 グリグリタイム突入です。







 ラッピング完了したのでよ~~く洗浄してからギヤトレインへ移ります。






 先にライト・レフトケース全てのスレッド修正しながら×な箇所はリコイル修理しておきます。
 組み立て段階で途中でニュルッと💧という事態だけは絶対に避けたいのでここは入念に。
 ここで一度ケースを組んでシリンダーデッキ面の面研磨もやっておきます。


 KEYが入っているわけではない純正カムなので専用工具を使ってタイミングがずれていないか確認しておきます。






 ギヤカバー側のブッシュを入れ替え・仕上げ。







 ギヤ径計測してマッチングを合わせます。
 チャート表を参照してピニオンギヤのサイズを替えて対応しました。





 組みつけ状態にして各ギヤサイドプレイ・バックラッシュをチェックして最終的にピニオンシャフトが指で負荷なくクルクルくんになるように。

 今夜は少し早めに切り上げてSHOVELさんの慣らしで遠回りして帰ろうと思います~~












9/03/2024

ZZZ...

 今日は3ヶ月に一度のメンテナンスで歯医者さんでこねくり回されて来ました。

 なんだかんだで1時間くらいあれこれやってくれるんですが、のび太級の私ですので開始1分くらいでスヤスヤと・・・でもって起こされておしまいが毎度のことなんですけど、考えてみたら結婚する前から行っているのでここまでいったいいくらくらい掛かってるんだろう・・・考えただけでゾッとします💧

 こんだけ払ってるんだからそろそろ特典でカッチョイイ牙かなんか無料で入れてくれないですかね~~


 ラッピングが終わったので再度組みつけてビックエンドのサイドプレイが狙いどうりの数値に仕上がっているか確認して完了です。





 ピストンピンブッシュを入れ替え・仕上げまで終われば重量の変化する作業はおしまいなのでバランシングに入れます。






 各パーツを計測して公式へあてはめてダミーウエイトを算出していきます。






 ボーリングへ出す前に重量を量っておいたピストンですが、重量合わせはまだなので軽い方のグループへ合わせて重量を合わせておきます。





 計量計量・計算計算・・・







 われながら写真がヒドイすね💧
 ダミーウエイトを組みつけてバランシング開始です。






 もちろん2枚とも。
 これでバランシングは完了です。
 以前はフルOHのエンジンへは必ず施工していましたが、最近はリクエストされなければよほどの場合を除いておこなっていませんが、RUMBLEで製作する車両へは必ず施工します。



 5まんえん!!のタイヤと一緒に第一陣のパーツが入荷。







 リクエストの色でリムのペイント塗り上がり~~







 第二陣のパーツもどっさり入荷。







 ライトケースレース、ピニオンギヤまわりを。







 ケーススタッドの曲がり・スレッド修正。







 容赦ないくらい毎日雨が降りやがるので、昨夜はやみ間を逃さずSHOVELさんの慣らしへ行って来ました。
 順調ですよ。





 入荷したカットアウトを組みつけて発電チェック→バッチリなので、雨がやんだこの隙にテストランへ行って来ます!!














9/02/2024

そ~ゆ~ことです

 屁理屈ではなく、人間ですからミスはするものですし、それが原因でのケガってのもこの仕事には付き物で仕方ない部分ではありますが、ポカってのは防げると思うんですよね。

 これまでたくさんの若者と仕事をしてきて、ポカする子はずうっとその傾向は改善されず、しなくて済むケガも多いように思います。

 この作業場には一瞬の油断で一生後悔するような怪我をしてしまうような機械がいくつもあり、ひとつのポカでお客さまの命にかかわる事態になりかねない責任も絶えずついてまわります。

 整備士としての才能ということに関しては私はまったく持ち合わせておりませんが、ポカをする気質は自分の気の持ちようでなんとかなる部分だと思うのでそこだけは常に自分に言い聞かせて作業に取り組んでいるつもりです。


 日曜日にお渡し予定だったスポーツさん、当日の台風予報が外れるかもしれなかったので土曜日に交換しに出勤しました。
 このチェーンをオーダーするときに「リンク数かぞえといて」→「106リンクです」→「絶対?」→「ハイ!!」→「間違いない?」というやりとりがあり、交換時に数えたら104リンクでした💧  この業界で4年も経験してきた人間のやるポカじゃあないですよね・・そういうことです。


 スタージスくんのシリンダー計測から。







 いつものリングギャップ・リングの曲がり・リング溝のチェックが終わったらリングの面取り、シリンダー・ピストン洗浄しておきます。





 バルブガイド製作していきます。







 できあがり💛







 ガイドをヘッドへ圧入する前に怪しいロッカースタッドを。
 全部ではありませんが、数本盛り上がってまいりました状態になってしまっているのが分かりますかね? こうなるとヘッド側のねじ山が壊れてスタッドがせり上がってきてしまっている可能性が高いので一本ずつ規定トルクをかけてチェック→ダメなところは修理して、生きているところは正規のところまで締め込んでおきます。


 入れ替えるにしても締め込むにしてもSHOVELのロッカースタッドは扱いに細心の注意を払う必要があります。
 自信のない方はSHOPさんへ任せることをお勧めします。





 ヘッド温めたりの間にクランクを進めておきます。
 まずはバランシングへ入る前の下準備から。






 旧フライホイールワッシャーを外します。







 NEWフライホイールワッシャーがしっかり座るようにカシメによって変形している部分をまずは板金してしっかりピシッと座るようにしてから。





 あれれ?よく見たらこの車両は’82なので当然90°オイラークランクなんですが・・・






 ついていたクランクピンは120°オイラーのピンでした💧これではピニオンシャフト先端からもらったオイルがコンロッドビックエンドへ流れてきませんね💧💧
 これで組まれてからそれほど走っていなそうなのにあのコンディションだった謎が解けました。
 ガイジンさん、大ポカですよ、たのんまっせ!!


 まるでマシン加工したかのような旧フライホイールワッシャーのコンディションも納得です。






 計測用のワッシャーを組みつけてビックエンドのサイドプレイを計測して使用するワッシャーの厚みを選定します。






 その間にバルブガイド圧入完了。







 NEWワッシャーのカシメも完了したのでラッピングへ移ります。






 計測計測







 ラッピング完了~~