4/16/2010

またたび

 そろそろツーリングの季節、先日もお客さまが能登半島一週ツーリング計画の話をしていてウラヤマシイかぎりでした。

 昔から放浪癖のある私は若い頃よく旅に行っていましたが、いつしか自分のお店を持ち、結婚して子供が出来てこの10年位は旅はおろか旅行にすら数回しか行っていません。

 旅と旅行、私の中でこの二つは大きく異なります。 旅とは目的地程度のみで日程すら決めずに行くものだと思っています。

 旅は本当に人間を大きくしてくれます、 日常の色々なこだわりなど全く無意味な事だったと気付かされたり、 身の周りの小さなコミュニティーで築き上げた自分の立場など見知らぬ土地に行けば残酷なほどあっさりとゼロになり、正味の自分の薄っぺらさを付きつけられて・・旅を重ねた数だけ人間を魅力的にしてくれると思います。

 年齢を重ね、守る者や自分の帰りを待っていてくれる人が身の周りに増えるほど旅には行けなくなってしまうので自分の子供も含め、若い人には是非旅に行って欲しいです。 無計画な旅は海外だと命の危険も伴いますが何とかなるものです。 そこで命を落とせばそれまでですし、危ない目にあっても無事に帰って来られたら、神様が「おまえはまだ死ぬべきではない」とジャッジしてくれたのだと思えば帰ってきてからの生き方も変わってくるはずです。 行かずして小さいままの自分で世の中に流されて惰性のような人生を送るくらいなら思い切って旅に出てみては・・ いつか色んな旅の話も出来たらいいですね。

 気の合うパートナーと行く旅行もまた楽しいですけどね。  今の私が置かれた状況だと無計画な旅に行くのはおじいちゃんになるまで待たなくてはならなそうです・・・ それじゃあ徘徊老人と言われてしまいそうですが。

 工場での日々の格闘や発見、家族と積み重ねている日々だけで十分大冒険なので今の私にはしばらく旅は必要なさそうです。   季節外れの寒さですが今日も格闘していきましょう。


 デスビー組み立てしていきます。

 オーバーホールしたエンジンのコンディションを大きく左右する箇所なので入念に組み立てします。





 新品でもガバナーのスタット、ガタなどチェックしてグリスアップしてから組み付けていきます。

 スプリングのテンションも使用状況に応じたチョイスをしましょう。 当店では指示のない限りキックスタートでの始動性重視のセットアップにしています。



 ポイントカムを挿入して負荷なく作動する事を確認して、








 遅角・進角ともに穴の中でピンが端から端までしっかり当たっているか確認して当たりきっていない場合などは調整が必要です。

 DYNA-Sなどにする場合は特に確認した方が良いです。

 ガバナーを取り付けるとき、渋かった場合は無理につけずに修正してあげましょう。


 ポイントは新品でも当たり面を一皮むいてあげます。








 デスビーボデーとポイントベースプレートのガタなど正確な点火時期を出すのに邪魔となるファクターを出来る限り取り除いた上でギャップをセットしてフルアドバンスにして点火時期をセットします。

 と、ここでTAKAさんSHOVELのボーリングが終わったので納期の余裕があるPANはひとまず腰下ASSY完了したので置いておきます。


 いつものお決まり、狙ったクリアランスで仕上がっているかチェックしていきます。







 写真はピンボケでNGですがクリアランスはもちろんバッチリです。







 全てのピストンリング入念にチェックしていきます。

 ここで私の古~いデジカメくん、まさかの電池切れ・・使い捨ては嫌いなので携帯もカメラも電池切れとの戦いです

 この後ギャップチェック+面取りといつもどうりの作業をして



 電池復活! シリンダーベース、当店の定めるトルクにて締め込みます。

 ロングスタットのレイトSHOVELはヘッドボルト各シリンダー1本づつ先に入れておくのを忘れずに。




 締め終わったらしつこく異音、負荷ないかクランキングさせてチェックして







 ヘッド組み付けていきます。

 段取り良く作業が進むように必要なものは全て用意しておきます。 ロッカーオイルラインは1度仮組みして長さ、角度など必要であれば調整しておくようにしましょう。




 インテークマニフォールドの位置出しに気を付けてトルクレンチで締めこんでいきます。







 バッチリ組み上がり、お次はプッシュロッドといきたいのですが私はここで一旦ねかします。  おいしくなる訳ではなく、各部ガスケットを馴染ませるために最低24時間掛けて3~4回増し締めをどんなに急いでいても必ず行います。 ガスケットメーカーの定めるファイナルクラッシュ厚まで縮まるにはこのくらいの手間が必要と私が考えているので増し締め終了までプッシュロッドも張れないのでここでお休みになります。



 その間に車体がキタナ~イので洗浄して積み込みに備えて準備しておきましょう、ゴシゴシ・・

 あらかた終わったら1度エンジン増し締めしておきます。





 そういえば、オイルタンク内がエライことになっていたので外して徹底洗浄しておきます。 外すのがやっかいで気持ちが折れそうでしたが無事に取り外して洗浄終了しました。

 ここでもう一度増し締めです。

 


 今夜は新人くんがスタッフKくんの背中を追いかけて一生懸命やってくれています。 やっていけそうかな? がんばって下さい。

 私はもうひとがんばりして帰りま~す  お疲れさまでした。

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