今日はハーレーダビッドソンというアメリカ製のオートバイをさわるのが少しばかりつらい日です。
べつにその事についてギャースカ言うつもりは全くありませんが、人間として、日本人として、当時の方々の事を思うと言葉に出来ません。
本日の作業です。
先日ご紹介しましたキャノンボールケースを。
初めて聞くメーカーの作った初めて見るクランクケース。 こういった場合は通常のチェックとは内容が大きく異なります。 各部のダメージではなく、アライメントや加工精度など、ある程度の修正加工で解決する問題なのか?いわゆる使える物か、そうでないのかを見極めていかなくてはいけません。
それにはひたすら計測計測なので時間も手間も掛かります。
送られてきた使用不可のクランクケースから再使用できそうなものを全て外して、その他渡されているパーツ類も用意します。
ケース合わせ面は修正加工が必要です。
研磨しながら旧クランクをバラす前に芯を確認。
見るからにだいぶお疲れのクランクではありますが、芯は出そうなので分解します。
こちらは送られてきた純正カムカバー。 なぜかカムブッシュが無く、ピニオンブッシュもガッタガタです。
溶接修理痕へのクラック。
ここも。
ここもバックリ。
ここもクラック。
ここにも。
ここも。
とまあ挙げていたらキリが無いくらいのクラックで、こちらは交換の方向で依頼主さまへご連絡。
合わせ面研磨+インロー部研磨が終わったケース。
ライトケースとのマッチングもOKとなりました。
旧スタットを集めてみましたが、アライメント用に太くなっているスタットがありません・・・
カムカバーといい、クランクといい、一体どんなエンジンだったんでしょう・・・
正規のNEWスタットを使ってチェック。
ケーススタット穴のアライメントはしっかり出ているようです。
シリンダーベース部・マウント部などもチェック+修正。
カムカバードゥエル・サーキット・アイドラースッタットなどのアライメントはしっかりしていました。
図面はアナログですが、計測は超ハイテクな機械でやってもらったので、信頼度は高いですよ!!の各エンジン用に製作しておいたこんなのがたま~~にですが役に立つのです。
オイルポンプ部も問題なく組めそうです。
タペットガイドそのものが入らなかったり、入ったとしてもスクリューが4本しっかり入らなかったり・・なんて事もあるのでここも確認です。 組み立て時に気付いたのでは遅すぎるので前もって。
結果はOKだったのですが・・・
タペットガイドにクラック発見。
こっちも・・・
なかなか前途は険しそうですが、クランクケース自体の出来は良さそうです。 この個体のクオリティーが維持できるのであればRUMBLEで使うには問題ないかと・・ 今回加工+修正した箇所を製造元さんで改善して納品されるのならほとんど手間が掛からないと思います。
本日の作業はこの辺で。
お疲れさまでした。
8/10/2015
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