前回までの点検・整備のおまけです。
バイクも車も日常走行していると各部消耗したり、汚れたり部品の寿命を迎えたりでいろんな整備が必要となるということは簡単に書きましたが、一方で全く乗らず、気付けば今回も前回車検取得してから一度も乗らず・・なんて車両もあると思いますが、この全く乗らず「放置」ってのがなかなかくせ者なんですね~
長期放置というのは消耗はしませんが、車両を確実に痛めます。
今回のこの車両はその長期放置だったので、よくある事例をいくつか・・・
バッテリーを新品にしてセルボタンを押してもセルが回らない!? そんな時はここを開けて接点を磨いてキレイにするとほぼ復活します。
「ガソリンは抜いておいたから!」とオーナーさまから言われていたものの、強烈な臭いがしていたので怪しいと思っていたキャブレター
やっぱりね・・・
結構な状態です。 加速ポンプのピストンもガッチリ固着してます。
インマニのシールもぐにゃぐにゃと変質して中に出てきちゃってます・・・
んん~~HSRのパーツなんてあったかなぁ~~
おお~~バッチリ在庫してました!!
ガスバルブ部もすごい事になってます。
近代的なキャブレターはこのガスバルブシートにも番手があるので交換時には確認して同じものを使うように気を付けます。
各ジェット・メインノズルも穴が塞がってます。
劣化したガソリンは本当にやっかいです。 このあたりのパーツは、精度を求められる部位なので、コリコリ頑張らず、手に入る場合はできる限り新品に交換しましょう。
スロットルバルブのO-ringも変質・変形してしまっています。
最近こんなののお世話にならないとジェットの番手が読めません・・情けない・・・・
で、全バラ→徹底洗浄して組んでいきます。
ここは可変ベンチュリ・フラットバルブキャブの特徴的な所ですね、完全なレーシングキャブレターとして作られたFCRはこのO-ringと輪っかの代わりにミニ四駆のタイヤのようなベアリング?が採用されています。
大きな負圧によってスロットルバルブが張り付いてしまうというフラットバルブキャブレターの弱点を補うために各メーカーのいろんな手法が見られて楽しいですね。
このあたりの対策があまりなされていない型式だと、殺人的にスロットルが重く、そのせいでワイヤー寿命も短かったのですが、FCRやHSRなんかでは見事に改善されてます。
ですが、FCRはレース用なので、長期間使用しているとこの部分から「カチャカチャ」と独特な音が出てきます。
一方、ストリート用のハーレー専用設計のHSRはベアリングではなくこのシステムで異音・張り付きに対応しています。 定期的なメンテナンスは必要ですが、良くできています。
ちなみに私はこの周辺パーツへはフッ素系のグリスを使っています(正解かは分かりません)
どっちむきだったっけ??? なんて事態になるようなウッカリ八兵衛にも親切な作りで正しい向きにしか入らないようになっている気の利きように感心したり・・
こんな親切なキャブばかりではないので、この手のバタフライ式ではないキャブレターのスロットルバルブ(円筒状のものも含む)はカッタウェイがエアクリーナー側へ来ます。 キャブレターの原理を考えれば分かりますよね。
あ、そうでした。
キャブの話ではなくって長期放置車両の整備のお話でした、ゴメンナサイ・・
キャブがあんななら当然コックもこうなります。 こうなるとコックは大概動かないのでプライヤーでグリグリやってしまいがちですが、そうすると中のシールが切れてガソリン漏れ漏れ・・となってしまうので分解・洗浄してシリコングリスを縫って、馴染ませながら組みなおしていきます。 これが負圧コックだったり、燃料ポンプだったりするとお手上げなのでパーツ交換となります(あ~コワッ)
このあたりも分解して錆を取ってグリスアップして組みなおしておきます。
ついついキャブレターの話になるとテンションが上がってしまう悪いクセが出てしまいましたが、長期乗らない場合はその対策も抜かりなくお願いします。 せめてガソリンだけでも・・・
お疲れさまでした。
8/29/2016
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