7/03/2024

かいりょう

 最新式のモデルは触ったこともありませんから話をEVO以前限定で進めさせていただきますが、ハーレーダビッドソンのエンジンを長~いこと修理していて一番むつかしいモデルは?と聞かれたら私は迷わずパンヘッドと答えます。

 理由はたくさんあるのですが、歴代エンジンのなかでも途中の仕様変更が桁違いに多いんですね。

 当時はそのような考え方があったのか定かではありませんが、エンジンがニューモデルになる場合は何馬力上がった!!とか、飛躍的なシステム導入とか、新素材を!!なんてコピーが躍るもんですが、同モデルでの内部システム変更というものは途中で見つかった様々な不具合を改善するために行われるものだと思うので、その項目がたくさんあるパンヘッドはやっかいだと私は勝手に思っている次第です。 なんならシステムだけでなく、材質の改善のための変更までありますからね・・・

 「だから好き💛」というドMさんから「だから嫌い」というSっ気タップリな方まで様々だと思いますが私がどっちかはショナイです💛

 ひとつひとつ書いていきたい気持ちもありますが「なげ~よ!!」とか「知ってるわ!!」などの苦情をいただきそうなので今日はほんの一部だけ。

 ヘッドひとつとってもその変更点の数ったらないのですが、今日はココ、EXバルブガイドがポート側へ飛び出す部分の話です。
 同じバルブでもIN側とは役割も条件もだいぶ異なる過酷なEXバルブですからポート内の制流効果は度外視してバルブの熱を少しでもヘッドへ逃がすことを考えて盛られたこの部分・・・ここを起因にヘッドへクラックが入ってしまう症例が非常に多いのでアーリーパンヘッドの弱点の一つと言えると思います。
 ナックルのヘッドもフロントのこの部分へのクラックという事例はあるのですが、鉄からアルミになって強度が落ちて、さらに材質も良くなかった初期のPANのヘッドはものの数年で改良に迫られるほどだったのでしょうね。


 中期ヘッドではしれっと形状が変更されているので発売された直後からこの事案は多かったのではと想像できます。






 こっちからの方が分かりやすいですかね?
 これがアーリーヘッド






 こちらが中期ヘッド。
 フルオリジナルのような車両でモディファイなどはしないで!!というリクエストの場合はバルブガイドの形状で対応していますが、↑のような場合以外は削り取ってしまった方が良いと思っています(私個人の意見です)
 この程度のことで走り出したクラックが信じられないような深さまで進行してしまうことも少なくありませんので甘く見ない方がいいですよ。
 今日はこの部分へクラックが入ってしまったヘッドの作業があったので書いてみましたが機会があればその他の部位の話も書けたらな・・と思っています。


 では作業の報告を。
 50FLさん、キックペダルが踏みにくかったので分解してみたら取り付け部の穴が画像よりもはるかに楕円に摩耗してしまっているので修理します。




 マシニングで真円に拡大修正してブッシュを入れて対応します。






 できあがり♪







 先日タイヤの組みつけまで完了したホイール、車両が持ち込まれたので交換します。






 できあがり♪♪







 冒頭で出てきたPANのヘッドへ入ります。







 まずはバルブガイドを抜くために温めます。
 この灼熱の作業場内でこの時期にストーブなんて死人が出そうです💧
 ありがとうございます。




 ひとまずバルブガイドは抜けました。







 でもって昨日は40ULさんの車検へ行ってきました。
 この日は友好的な検査官さまだったのでメデタク合格💛






 スケジュールがカツカツなので急いでお渡し準備をして~







 明日(木)に車検の50さんへあれこれ移植しながら車検の準備、ラストの光軸合わせまで行ってこれで準備OKす。

 現在ヘッドのクラック修理へ入るところです。
 
 しっかし毎日言ってる気がしますが、ほんとに夜になると必ず降りやがるんですよね~~(怒) 今夜こそ降らないでいただいて明日こそ車検の前にドロ遊びに行かせていただきたいもんです・・・


 

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