現在作業中の66FLHが「気持ち良く飛ばせるエンジン」というリクエストで、なかなかのカムを!!とも言われていて、たまにはカムのお話を。
4ストロークエンジンチューニングの醍醐味のひとつでもあるカムチューンですが、早くするだけではなく、乗り味を変えたり、出力は抑えてロングライフを狙ったり、燃費を良くする事も出来るなんて言うとカムがものすごくエライみたいに聞こえますが、圧縮比の設定と密接な関係がある事をお忘れなく。
ハーレーだけに限らず「名作」と呼ばれるカムはたくさん存在していますが、圧縮比がマッチしていないとアイドリングはしないわ、乗りにくいわでサイテーなエンジンになってしまいます。
加えて突出し値や、バルブスプリングのレートなど、リフト量の大きいカムを入れようとするとやらなければならない事が他にもたくさんあります。
純正スペックのエンジンとHカムのバランスは最高だと私は思っているので、ほとんどのお客さまからカム交換を相談されても「無し」の方向で説得するのですが、マッチングのバッチリ決まったカムチューンエンジンの気持ち良さの魅力も分かっているのでお断りしないケースもあります。
いろんなメーカーからたくさんのカムがリリースされています。 どこのメーカーも親切にモディファイメニューなども書いてくれているので目的に合ったカムを選べます。
これはS&S。
これはANDREWS。
バルブガイドの座面を下げる加工を。
スプリングロワカラーの座面も同じく。 次に作業する人の事も考えて研磨した数値も記しておきます。
自由長が長く、大きくなったセット長時にしっかりとしたセット圧が確保できるバルブスプリングを使うために+ロッカーアームとの関係も考慮しての加工なので大事です。
当然ステムシールは使わないのでテーパートップにしたり、座面が下がった分、ポート内へ飛び出すガイドの寸法がいつもと違ってきてしまいます。 そうなるとカーボンの逃げ場が無くなったり、焼き付きのリスクも増えてしまうので首下寸法もノーマルとは異なります。
エンジンを分解したときに、バルブスプリングのここが光っていたら要注意!!です。 スプリング同士がぶつかっていたという事で、熱の入ったばね鋼は折れやすいですから起こり得る事態を考えただけでも背筋が凍ります・・・
リフト量が増えるという事はそのリスクも当然いっしょに増えます。
なので、専用のバルブスプリングが必要となり、合わせてセット長を大きく出来るアッパーリテーナーも必要となって来るのです。
OH依頼で送られてくるヘッドにごく稀ですが、ノーマルスプリングにこのリテーナーが付いていたりしますがそれはもれなく却下します。
久しぶりですがやっぱりチューニングも楽しいですね。
本日はこの辺で。
お疲れさまでした。
10/01/2015
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