5/31/2011

特別なモデル

 ”FXR” もうダイナ系へ引き継がれて引退してから相当な時間が経っているこのモデル。

 今から18・9年前に働いていたMASAFUJIというSHOPがFXRに乗っているお客さまがとても多いSHOPで、整備士として駆け出しもいいところだった私は、FXRには色々と勉強させてもらったりで、私にとって思い出がたくさん詰まっている特別な車両なのです。

 MASAFUJIにはあれだけあったFXRも、次にお世話になったアーリーライダースではたったの1台で、ランブルエンジニアリングに至っては何とゼロ。  そんな中、久しぶりにFXRをさわる機会が巡ってきて懐かしくもあり、何だかしんみりとしてしまいました。

 今日も作業していきます。

 まずは納車間近の78FXS。  入庫時についていたエアクリーナーBOXを組み付けて最終チェックしたのですが、ついていたスーパーEとのマッチングが最悪・・・  ジェット交換や、加速ポンプの量などの都合でクリーナーボックス無しでここまで出したセッティングがガラリと変わってしまい、全てパーに。  クリーナーボックスへ追加工したりジェット変更したりで朝から悪戦苦闘でしたが、どうやら落ち着いてきた感じ。 気付けばグリグリタイムなのでこれに乗って行って来ます。
 帰って来たらライニングの張り替えが上がってきていたので42WLAのフロントドラムをサクッと終わらせます。
 作業写真が無くてしかられそうなのでリヤはちゃんと撮っていきます。  ひととうり修理を済ませてあるバッキングプレートを組み立てしましょう。
 リプロのオペレーティングシャフトはアウトサイドの刻印が無かったりするので組み付け時には注意が必要です。 特にカッタウェイが無い物は分かりにくいですからね。
 ここで輸入新規登録を依頼していた車検屋さんから 「これから行きます」の電話が入ったのでFXRSの整備をしておきます。

 何事もなく通りますように・・・
 ブレーキに戻ります。  厚めに張ってもらったライニングをドラムシェルに入るところまで旋盤で慎重に研磨していきます。
 そうしたら車体へ組み付けて、いつもの手仕上げになります。

 リーディング・トレーディングに分けて考えてしっかり効くようにしたら組み付けはHIDEくんに任せます。
 続いて業者さまからのEVO腰下をやっていきます。
 どんどん分解して、その後によ~く洗浄します。
 洗浄が済んだので42WLAのチェックをしておきます。

 この車両、樹脂製のメータードライブギヤがツルツルになっていたのでアライメント合わせをしておきます。  ドライブユニットを固定しないでホイールを回転させて、引っかかり無く、ドライブユニットがせり出して来てしまわないように合わせればたとえ樹脂製でも長く使えます(結構大事ですよ)

 こんなところで本日の作業はおしまいです。  それにしてもFXR、懐かしいなぁ~

                          お疲れ様でした。 

5/30/2011

5/28・5/29復興支援活動

 台風迫る中、今回は石巻~陸前高田へ行ってきました。

 RUMBLEからの参加メンバーは ケンタロウくん、CHERRYくん、MASASIくんと私の4人でした。 毎回の物資のお届けに加えて初となる瓦礫撤去のミッションに張り切っていた分、不完全燃焼となってしまいましたが天候には勝てません。  我々だけではなく、全ての瓦礫撤去作業が台風による河川の増水のため中止となってしまい、物資のお届けのみとなってしまいましたが、そのかわり収穫も大きかったと思います。

 前日27日に皆さまからの温かいお気持ちをスタッフHIDEくんと大騒ぎで積み込んで。
 凄い事になってます・・・これ気仙沼まで運転していくんですよ、私。 大丈夫なんでしょうか??

 私の無理なお願いにも関わらず、快くこのユンボを提供して下さった「藤沢建機」さま、トラックを提供して下さった「有)あおき」さま、本当にありがとうございました。
 ランブルハイエースにも皆さまの温かいお気持ちを満載で行ってきました。
 前日ギリギリセーフで物資を届けてくださった高見さん、中村さん、ありがとうございました。


 自然の力の前では人間なんて無力なものです。 ですので、長く続けて行けば今回のような事態も仕方の無いことだと思います。 次回に備えてまた今日から仕事仕事!!

 SxTxUメンバーのみなさま、お疲れさまでした。

5/26/2011

いよいよ

 今月の28・29日で予定されていた気仙沼へ行く日が迫ってきました。  現地へ行くための準備や、お店を丸々二日間留守にしてしまうのでその対応等でドタバタです・・・  メールなどのお返事は週明けになってしまいます、ご了承下さいマセ。

 震災から早2ヶ月以上が過ぎた現地の状況を先日、成田さんと話す機会があったので色々聞いてきました。  ここに書くと問題となりそうな、何とも歯がゆいというか、あきれて脱力してしまうようなくだらないしがらみが・・・「民」とか「自」とか「みんな」とか、今はそんな事を言っている場合ではないように思うのですが・・  我々よりも頭が良くて学歴もあり、優れたブレーンもいるのだから、せめて影でそういった根回しをするなりしていただいて、我々民衆にはそれが一切見えないようにしてもらいたいものです。

 そんな事は忘れることにして、前回のお知らせ後にもたくさんの物資をRUMBLE-engineeringへ持ってきて下さった皆様、本当にありがとうございます。  おかげ様で積みきれるか心配になるほどの量です。

 戸塚さま、秋元さん、山下さん、葉山さん、中山さん、武田さん、稲葉さん、大木さん、佐藤さん、CAMELさん、筒井さん、須坂さん、真道さん、鏡さん、榎田さん、 ありがとうございました、責任持って現地へお届けしてきます。

 もう、いくらも時間が無いのですが、現地で必要とされている物資について補足させてください。 テレビや新聞等の情報は全くあてにならないと思って下さい。  批判ではなく、大きな避難所はその情報どうりなのでしょうが、我々のまわっている所は小さな避難所だったり、個人宅だったり、未だに孤立してしまっている所なのでズレがあるのです。

 前回に書いたものは引き続き求められています。  それと生野菜はどこへ行っても必要なようで、あっと言う間に無くなってしまいました。 あとは電池、照明(懐中電灯)、T-シャツなんかも喜ばれるかもしれません。毎日ザブザブと洗濯ができない状況なので、タオルなどもあればあるほど助かるといった声も聞きました。

 あいにくの天気予報で、雨の中での瓦礫撤去(ドカタ作業)なので風邪などひかないか心配なのですが、おかげで娘の運動会が延期の気配・・・多分神様からのご褒美という事で雨乞いして行って来ます。

5/22/2011

1年ぶり

 今日は年に一度のA-DAYの日。  忙しいなんて言い訳は通用しないんです、僕以上に忙しいのに毎年JET-RUNに来てくれるMC-DENのお二人やJENEの仁田さんたちに会いに行かなくては! なのですが、今日は可愛がってくれた先輩の2周忌なのでお墓参りへ行って来ました。

 場所はここから150km弱の嵐山小山。 愛車のスタージスでブッとばして行きたいのですが、そこはグッと我慢我慢・・

 現在馴らし中の78FXSで仕事も兼ねてという事で行って来ました。  馴らしなのでタコメーターと後ろから来る車たちとにらめっこで疲れましたが無事に1000km超えたので納車が見えてきました。

 先輩の墓前で1年ぶりとなってしまった事を謝って、また来ますと伝えて、怪しい空の色にビクビクしながら帰路につきました。

 この先輩、雨男ではなく豪雨男と皆から言われていたくらい、一緒に走りに行くと必ず豪雨に見舞われるという恐ろしい人だったので、嫌な予感はしていたのですが案の定来ました豪雨が・・・

 でも降られたのは帰りの圏央道の山間だったので、ほとんどトンネルで奇跡的に濡れずに済み、作業場へ着いた直後に豪雨となり、何だか本当に先輩の仕業かと思ってしまいました・・

 A-DAY後だからなのか、帰って来てから今日は来客たくさんでした。  でも作業もしっかりとやりましたよ、写真は無いですケド

 皆さまお土産ありがとうございました。


 江口さん、もう少しだけ一緒に走りたかったッス!!(豪雨は無しで)




                          お疲れ様でした。

5/21/2011

チャージモーターサイクルズ


 先日、突然の来客に驚きました。  少し前に電話で久しぶりに話した”チャージモーターサイクルズ”のマサくんが来てくれて、嬉しかったです。

 あの電話だけでも「レース熱が」メラメラと来てしまったのに、直接会うなんて刺激が強すぎて我慢できない感じです。  でも今は仕事以外でも忙しく、時間もそうですが経済的にもキビシそうです・・・

 でも、絶対にまた勝負したいと思ったのは間違いないので一年先か二年先かはわからないですが、待ってて下さい。

 



忙しいのにありがとう。  その時を楽しみにしています!!  僕が勝ちますケド

46WL

 ここ最近~今後しばらくの間、仕事はもちろんですがプライベートでも予定がビッシリで頭から湯気が出そうですが、テンパらずに一つずつこなすためにも作業あるのみなのです。

 今日は待ち焦がれたパーツたちが入荷したので46WLの作業です。
 まずはバッテリーボックス+ツールボックスマウントブラケットなどなど・・・

 マッチングが合わず悪戦苦闘で
 ようやくここまでで、すっかりお昼も過ぎて夕方に・・
 ここでコンプリート製作の72FXを取りにお客さまがご来店。

 各部説明をしてお見送り。

 永く乗ってあげてください。
 46WL、バディーシート+サポートヨーク+パッセンジャーペグ、ヘッドライトなどなど取り付けていきます。
 いつ見ても文句の付けようのないアトリエチェリー製作のバディーシートにウットリしたところで本日の作業はおしまいです~

 今週一週間で5台納車できて少しだけですがホッとしました・・・





                            お疲れ様でした。 

5/20/2011

74ドラム

 こんなものだろう・・・とか、手探りで作業していた頃からある程度の経験を積んで、この工程を踏めば大丈夫という自分なりの法則が出来てくるほど、予期せぬトラブルが起こるといわゆるドツボというものにドップリはまってしまう事が旧車を相手にしていると少なくありません。

 こんなものではないという事は自分の経験が深ければ深いほど分かっているので、その逃げ道は経験を積むほどに狭くなっていき、なかなかやっかいなのですが犯人を摘発した時の達成感が格別でもあり、やめられない理由でもあるような・・・

 今回は74ドラムのお話。

 当店で定めるオーバーホールの手順を踏み、組み上げ後→テストラン。  どうにもレバーのタッチがスポンジーなのです。

 純正のドラムシェル+バッキングプレートの組み合わせ+オーバーホール・・・あれこれと原因を探しつつ何をやっても改善されず。  お手上げだけは絶対に嫌なのでドラムとにらめっこ・・・

 どうにもレバータッチがしっくり来ないのでドラムを凝視しながらレバーを何度も握ってみるとほんの少しですがドラムシェルが変形しているように見えます。 懐疑的な眼差しを向けるHIDEくんを無視して分解・計測。  まんまとペラッペラで手持ちのドラムシェルへ交換したらバッチリ、スプリンガーがフルボトムするほどの効きになりました。

 オーバーホール時に見落としていた私が悪いのですが、こんなケースもあるんだというお話でした。  同業者の方がドツボにはまらない手助けになればと思ったので書いてみました。

5/17/2011

工房JIRI



 僕の友人であり、尊敬できる職人でもある”工房JIRI”さんを紹介します。

 長年愛用している真鍮のKEYフック。
 気に入った音が出るまで何個も作ってもらったベル。
 叩いて叩いて叩きまくりの鍛造シルバーなので本当に良い音がします。  気付けば僕の周りの人たちもみんな付けています。

 僕はプレーンが好きなのですが
 こんな感じだったり、











 いろいろカスタムしてもらえます。

 CHERRYくんのは真鍮リングやら彫金やらでハデハデです。
 JIRIさんの真骨頂は彫金師としての技術力の高さです。

 和彫金という技術をしっかりと修行して習得しているので、このようにピストンに彫るのもお手のものです。
 すばらしい仕事です。

 興味のある方は
 0467-33-3080
 MAIL jirisilver@yahoo.co.jp
  http://jirisilver.exblog.jp/

 まで。 僕と違ってとても気さくな人なのでお気軽に。

5/15/2011

反省反省

 ブログが更新されないとのお叱りを見知らぬ方から受け、作業の内容が肝心な所が載っていないので分からないとのご指摘をこれまた顔も名前も知らない方から受け、しっかり反省したので今日から心を入れ替えてやっていきます~~

 今日の作業+今日までの作業報告も少々・・・

 まずは先日納車を済ませた47FL
 点火+M-35のセッティングを煮詰めてプラグもこんがりキツネ色。  調子を取り戻してお渡しできました。
 こちらは現在、実走行馴らしに入っている78FXS。  走行前に押し引きで異常を感じたFブレーキはオーバーホールしてあったのですが、数十キロ走っただけでリヤブレーキが張り付いてしまい見てみると・・
 キャリパーが危険なくらいにガッタガタ
 といった訳でオーバーホール決定です。
 張り付きの場合はマスターに原因のある場合が多いのでマスターもオーバーホールして、現在600km超ほど走行しました。
 42Uも組み上がり、現在送風機にて馴らし中。 6時間ほどエンジン掛けましたが問題なしですので、次の順番で通勤にて馴らし+セッティングです。
 39ELは現在通勤にてセッティング中。 今夜+明日朝で終了です。
 さて本日は80FLHのミッションオーバーホールです。
 まずは全バラにしたら洗浄して油きりします。 分解の手順はマニュアルを参照して下さい。
 クラックやシャフトなど各部チェックが済んだらまずはメインドライブギヤのブッシングを入れ替えして。
 そうしたらシャフトより-1/100mmくらいまで旋盤にて削っておきます。
 その後の仕上げはアジャスタブルリーマーにて慎重に仕上げます。
 続いてスターターギヤブシングを入れ替え仕上げします。 手順はメインドライブの時と同じです。
 そうしたらメインシャフトに1・2速ギヤを入れて、メインベアリングを入れて規定トルクにて締めこんで、ベアリングのメタルシールを傷つけないように注意してロックタブをおこします。
 続いて3rdギヤのスラスト合わせを各サイズのワッシャーでやっていきます。
 続いてシフタークラッチのチェックをしたらメインシャフトグループは完了です。
 続いてカウンタークラスターギヤのニードルベアリングを入れ替えしておきます。
 このとき、スローアウトのワッシャーを加工した物を使って抜くと驚くほど簡単に抜けます。
 ブッシングのチェックもしっかりと。
 カウンターの1速・2速のブッシングも交換しておきましょう。 ここはバリが出やすいので修正してからNEWブッシュを入れましょう。
 そうしたらギヤボックス内でのサイドプレイを
 各サイズのワッシャーを使って合わせたら
 組み立て完了です。
 ベアリングロックプレートを付けてカウンターシャフトナットの締め付けが終わったらギヤボックスは一休み。
 ロータリートップの修理もしておきます。
 まずはバラバラに。
 例によっていつものところがガタガタだったので鋳鉄製のブッシングを作って入れ替え+リーマー合わせをしておきます。
 そうしたらロータリー機構を組み立てて、最後にこのふたを閉めて完了です。
 シフターフォークもしっかり点検後、組み立てて。
 専用工具を使ってサイドプレイ合わせをして本日の作業は終了です。

 明日午前中には全て終わらせて車体へ積み込みまでを明日の目標にします!





                                お疲れ様でした。